毎日新聞 2009年4月16日 東京夕刊 解説

厚生労働省研究班の大規模調査で、メタボに注目した現在の特定健診では、予防が可能な病気の「予備群」を見落とす可能性が高いことが判明した。メタボ健診については、診断基準の科学的根拠の欠如、性急な制度導入による混乱などの問題が指摘されていたが、効果についても疑問が投げかけられた。

研究班によると、肥満が保健指導につながる第一条件となっている日本の診断基準に基づくメタボが、死亡や循環器疾患発症に与える影響はあまり大きくない。むしろ、今回の調査では、血圧を正常値に抑えると、脳卒中の5割以上、循環器疾患による死亡の3割以上を予防できることが明らかになった。

研究班の磯博康・大阪大教授(公衆衛生学)は「日本では、メタボ対策で予防を目指す虚血性疾患による死亡者自体が少ない。日本人全体の健康を守るという観点からは、肥満対策だけではなく、肥満ではない人の健康対策にも積極的に取り組むべきだ」と話す。

今回の調査人数は、メタボ対策と効果を分析した先行研究をはるかに上回るほか、がんなどメタボ以外の病気による死亡も網羅している。現在の特定健診の行方を左右する重要なデータと受け止める必要がありそうだ。【永山悦子】

 

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